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captivity * 深さま


――captivity


「ファイ」

呼ばれて、手を差し伸べられた。
なんで、どうして・・・・っ
そんな傷だらけの身体でそれでもまだ、貴方は
オレを護ってくれるの―・・・?

「おら、グズグズしてんな。行くぞ」

緩慢な動作で伸ばす手を、強い力で引かれた。
「っ・・・」
次の瞬間には、彼の隣に立っている自分。
鉄と潮の香が鼻につく。
「…怪我、大丈夫ー?」
へらり、と笑っていつものように聞いてみた。

「テメェに心配されるほどじゃねぇよ」

ぐい、と唇の端を拭いぶっきら棒な返事。
それはよかった。でも、きちんと治療させて、ね?

「怪我は?」

ほとんど単語だけの会話。なんの事だろうって本当に
考えた。
何だかんだ言いながら優しいんだもの。調子狂うよ・・・
「オレ?ないよー」
貴方が、身を挺して護ってくれたから。

「そうか」

あぁもう、そんな風に笑うなんて反則だ。

「戻るぞ」

襲い掛かってきたモノに刺さっていた己が得物を抜き、
振り返る。紅玉の瞳が自分だけを映す。
そんな真っ直ぐな目でオレをみないで・・・
貴方には大切なものがあって、
オレにも手放せないものがあって、
互いに一番になんてなれないのにっ・・・
「そうだねー。でも、黒りん」
いつもと寸分変わりなく。ヘリウムガスより軽い己の
口調に安堵する。
「見える血は拭いてった方が良いと思うよー?」
はい、どーぞ、と手品のように差し出した布を手首ごと
引き寄せられる。
間近で合う、視線。
手首に伝わる、自分より高い体温。
するり、と違和感がないように気をつけて外した。
「さ、いこっか♪」
ひょい、と大きな背中を追い越して仲間の下へ戻るために
歩き始める。

「・・・・・」

背中に突き刺さる視線を感じるけれど。
――振り返らないよ?
振り返ったら、戻れなくなりそうだから。
あの、真っ直ぐな眼に絡み取られたら、どうして良いか、
わからなくなるー・・・
こんなに好きなのに。

一番にできないから、オレは想いに背を向ける。


***

(深さまコメント)
何がやりたかったかは聞かないでやってくださいっ・・・(泣
師匠のトコのイラ見てたら、混ざった;(何が(ネタが
いるのは多分、桜都国。
敵の城でもいいです・・・(いい加減;
題は更にいい加減ですが…;(平謝り。。。



オトモダチの深さんからいただきましたv
初黒ファイとのこと、光栄だよありがとうありがとう!

黒様が心底オトコマエで、ファイさんの喋り口調が可愛くって、
もう幸せいっぱいであります…!
(や、テーマはシリアス切ない系なのにね、ごめん)
逃げるファイ、目で追う黒様…てシチュは本当にツボですよな~v
またよろしくお願いするですよ!

* June 18, 2006 *

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