「…っ」
湿る温みに溺れ鈍った意識が刹那、収束する。
鋭く刺す痛みに思わず身を引けば、解いた舌先が熱く痺れて。
「警め、だ」
口中に広がる錆びた味。
噛まれたのだと識る一瞬前、濡れた吐息が頬を掠めた。
「私が相手と、忘れぬ様に」
「………御意」
喰い千切られず重畳だろうと、妖笑う唇を復
溢れる体液を分け与えるが如く、捩じ込む傷口。
容赦無く絡め嬲る主の無体は予想通り、
時折覗く其の舌を紅く染めるは私の色で、
奔る疼きは恍惚へと、容易くも掏り替わった。
確かめて居ろと、貴方は云う。
狎れ見失うは赦さぬと、けれども。
如何して忘れ得るものだろうか。
侵し冒されて居る事実、
牙よりも深く魂
「口づけは血の味」
丕受お題 から流用、司馬懿視点SS。
充足感とは程遠い愉悦に耽る主従、特に曹丕を書きたかったのです。
或いは何かを確かめたいのかもしれない、
自分が付けた傷を嬲る様な慈しむ様な病んだ口づけ、みたいなね ?
しかし流血過多押し倒され司馬懿大丈夫かこれ…