竺竺と
侵食されていく
爛れて堕ちる侭の 其れは
魄
魂
緩緩と追い上げた絶頂を、寸前で不意に圧し留めた。
知れず攣れる滑らかな内腿、微かな震えを撫でて確かめれば、焦れた指が伸びて髪をきつく掴まれる。宥めるべく寄せた口付けはしかし、無下にも逸らし拒まれて。
「……疾疾
確かに熱く濡れた吐息、物云いはまるで他人事の様に淡々と。
余さず晒した白い肌を朱に染めながら、見上げる視線に甘さなど無い。
醒めて居るのか誘って居るのか、即座に判断が付き兼ねる。けれども倣岸な挑発を、見逃す積りは毛頭無く。僅かな苦笑と共に、耳元で応えた。
「………至極、結構な御懇命で」
「――っぁ…ッ…!」
云い終わり様、嬲る指で寛げた其処を一気に貫く。流石に反り仰ぐ白い顎、露になった咽喉に舌を這わせて。零れる喘ぎは苦悶か嬌声か、聴き確かめるが如く幾度も揺すり上げた。
男を抱く趣味が有る訳では無い。
例え其れが類稀なる麗人でも――主と額付くべき相手であろうとも。
けれど重ねる毎に身体は慣れて、組み敷いたこの撓やかな裸身の、悦楽の在処を今では余さず見誤る事も無い。擦り抉る抽迭を繰り返せば其の証拠、酷薄怜悧な公子の華飾が少しずつ剥れていく。仮面の下を暴くが如き行為に、情欲が騒いだ。
「ア、 は……仲…達っ…」
途切れがちに呼ばれて、突き立てられる長い爪。詰る様な強請
「ああ…失礼、今少し奥が御好みで御座いましたね…?」
「ッ…黙れ、余計な…―――ぁうっ」
ならばと最も弱い内部
「……此方なら…御満足頂けますか」
「っ…は、黙……あぁッ…!!」
「御意…」
殆ど悲鳴にも似た。甘く艶めく声が褥を、闇夜を満たす。間断無く襲う官能、翻弄されて戦慄く主の嬌態に薄く笑んだ。
すべやかな肌。
絡み付く白い脚。
存外淫欲に弱い過敏な肢体、
纏わる内壁の熱さ、妙なる啼き声。
けれど時折、縋る様に揺れる瞳にこそ殊更煽られる。
傲慢に頑なに冷酷に。
私に君臨する美しき公子が、束の間溺れ乱れる姿。
優越と愉悦に芯が昂る、
快楽も苦痛も今だけは全て、私こそが与えて居るのだと。
「……っ…何、を――…」
考えている。
闇
「貴方の事を」
衒い晦ます筈の、其れはけれど真実なのだと、口に出して不意に思い知る。
自嘲は隠して抱え上げる膝裏、深く繋がる体勢で最奥を嬲った。抑え切れずに甘く掠れて、響く嬌声が耳を打ち。
一層きつく喰い締められる感覚を、息を潜めて如何にか堪える。浅く深く、幾度も腰を叩き付けながら、張り詰め脈打つ主を手荒く扱いた。無心に貪欲に昂め合えば最後の瞬間、熟れた肢体がびくりと撓って、脳髄を電光が迸る。
互いに精を吐き出す刹那、彼此の境はゆらり朦朧
繋げた場所から溶けて混じり合う狂おしき錯覚、違え様も無く其れは恍惚。
痺れる幻想を自覚しながら、腕
絶頂の余韻に委ねて、上下する白い胸。力無く為途け無く、割られた侭の下肢は無残に濡れている。滑る内部を僅か動いて擦れば、容易に知れる悦楽の残滓。それでも。
――未
未だ足りない。未だ遠い。
堕ちて来るが良い、
この手が届く処まで。
際限を知らぬ残酷な欲望が、身の内を蠢く。煽られる侭、俯く細い頤を強引に引き寄せて、乱れた吐息を貪った。
伏せた瞳が見たかった。
嫌悪と恥辱と愉悦に滲む、深い蒼。
ほんの一時、私だけに向ける、其の表情
他の誰でも無い、唯一私だけを映す、其の瞬間
「……曹丕様」
判って居る。
溺れて居るのは―――多分。
個人的には曹丕は、自分から乗っかって積極的に動くタイプ希望なのですが
たまには気乗らず抗う夜も当然ある訳で。
そして司馬懿はきっとこう云う、嫌々系シチュの方が燃えるだろうと。
慇懃口調で言葉攻めとかね。間違いない。
限りなくMっぽい所と限りなくSっぽい所を併せ持っていて欲しいです司馬懿には。